給与・賞与

退職した従業員から、未払い残業代を退職後に請求されました。支払いが必要でしょうか?

2023年04月17日

退職した従業員から、未払い残業代を退職後に請求されました。支払いが必要でしょうか?

こんな人にオススメ!

  • 今まで退職した従業員から未払い残業代を請求された経験がなく、何をどうすればいいかわからない
  • 残業代はきちんと支払っていると思っていた
  • そもそも残業させていないと思っていた

退職した従業員から、未払い残業代を退職後に請求されました。支払いが必要でしょうか?

残業代の未払いがあったことが事実なのであれば、退職した後であっても支払いが必要となります。ですので、退職した従業員から請求があった際の手順として、まずは「未払い残業が本当に発生していたのか」の事実確認から行う必要があります。

未払い残業が発生していたのか

退職した従業員から未払い残業代を請求される際には、「残業が発生していたこと」と「その分の残業代が支払われていないこと」を示す証拠資料が提出されます。提示される資料の種類は様々ですが、例えば以下のようなものが考えられます。

ただこれらの資料だけで未払い残業があったかどうか判断できるケースは少なく、会社側で保管している資料の確認や、対象従業員の当時の上長に対してヒアリングを行うなどの調査が必要となります。

いつまでさかのぼって調べなければいけないか

例えば、「退職後に過去20年分の未払い残業代を請求された」というケースがあった場合ですが、未払い残業代の請求権には時効があり、3年で消滅しますので、3年経過した分については請求されても支払いの義務はありません。(今後、5年に延びる可能性があるとも言われています)

ただ、あくまでこれは法的な義務がないだけで、3年以上前にも未払い残業が発生していたのが事実なのであれば、その分についても支払った方が望ましい、という考え方ももちろんあります。

確認の結果、未払い残業が発生していたことが事実であった場合

速やかに未払い分の清算を行いましょう。なおその際には、「発生してしまった原因」や「再発防止策」も合わせて伝えられると、より誠意が伝わりやすいです。

また、清算する際の支払い方法についてですが、税法上の兼ね合いで退職金に上乗せしての支払いはNGです。退職して間もなく最後の給与支払いがまだなのであればそれに上乗せして支払い、そうでなければ本人と相談のうえ、振り込みなどの方法で支払いましょう。

遅延損害金を請求されるケースも!

未払い残業代には、遅延損害金もかかります。

かかる利率には2つのパターンあり、対象の従業員が在職中であれば年3%ですが、退社後は年14.6%となります。当時に正しく支払っていれば大して負担にならなかったものが、時間が経ってから請求されることで会社の存続を脅かすリスクにまで発展する可能性もありますので、この点も要注意です!

「きちんと払っていると思っていても、実は未払い状態になってしまっている」ケースは実はとても多い!

よくお客様に見られるのが、「きちんと払っていると思っていても、実は未払い状態になってしまっている」ということです。こういった記載を見ると、自分の会社はきちんと対応ができているか?と心配になってきませんか?ここでは「実は未払いになってしまうケース」を3つご紹介します!

残業時間を誤った方法で切り捨てしてしまっているケース

残業時間のうち、分単位を切り捨てて計算する会社が多く見受けられますが、残業時間を分単位で切り捨てすることは、実は違法となります!実際、弊社では今まで約5,000人以上の会社の出勤簿やタイムカードなどの勤怠記録を見てきましたが、「18時10分に退社してる日は、すべて18時退社として計算していた。他の会社もみんなやっているし、問題ないと思っていた。」という会社は非常に多かったです。

実態がともなっていない人を管理監督者にしてしまっているケース

労働基準法上、「管理監督者に対して残業代の支払いは不要」となっており、このルールを根拠に残業代を支払っていない会社はたくさんあります。しかし、管理監督者として取り扱うには職務内容や権限、賃金面での待遇などについて厳しい条件が多くあり、「管理監督者として扱っていたけど、実態は管理監督者でなく残業代の支払い義務がある従業員だった」ということがよくあります。

固定残業代を払っているから大丈夫と勘違いしてしまっているケース

固定残業代などを支払っている会社も多いのではないでしょうか?このように、雇用契約時に想定される残業時間と残業代をあらかじめ定めて支払っている会社も注意が必要です!

固定残業代の金額に応じて定めた「相当残業時間数」を超えて残業させた場合には、その分は別途支払いが必要となりますので、固定残業代を支払っている従業員であっても、毎月残業時間の計算は必須となります!

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