帳簿作成

【初心者必見!】毎月の出勤簿や賃金台帳、正しく記録できてますか!?放っておくと会社の経営リスクに繋がる恐れも…

2023年06月08日

【初心者必見!】毎月の出勤簿や賃金台帳、正しく記録できてますか!?放っておくと会社の経営リスクに繋がる恐れも…

この記事の要点

  • 「出勤簿」は従業員が働いた時間を記録し、給与を計算するうえでの基になるもの
  • 「賃金台帳」は従業員の給与について、各月の情報を年単位でまとめたもの
  • 出勤時間の集計は、分単位まで必要なので要注意
  • 賃金台帳上で、基本給とその他の諸手当を合算するのはNG
  • 正しく作成しないと、従業員の離職や未払い残業代の請求などの経営リスクに繋がる

従業員を雇用している会社においては、入社時や退社時、また各月毎に様々な帳簿の作成が必要となります。

この記事では、「はじめて従業員を雇ったので、帳簿の作り方を一から覚えたい」方や、「現状の作成している帳簿の内容で合っているのか不安」「自社の帳簿が法令遵守できているか知りたい」といった方に向けて、多くの帳簿の中から今回は「出勤簿」と「賃金台帳」をピックアップし、それぞれの特徴や注意点、作成時の間違えやすいポイントなどについて、一から分かりやすく解説していきます!

「出勤簿」は従業員が働いた時間を記録し、給与を計算するうえでの基になるもの

まずは「出勤簿」について解説していきます!

「出勤簿」は、従業員の勤怠の記録を管理するためのもので、正確な給与計算をするための基となり、また他にも年次有給休暇の管理や、長時間労働の抑制等の従業員の健康管理のためにも大切な帳簿となります。「出勤簿」と、この後紹介する「賃金台帳」、別記事で解説している「労働者名簿」を合わせて、法定三帳簿と言います。

対象者について

「出勤簿」は正社員や契約社員、パートタイマー、アルバイトなど、雇用関係のある従業員については全員分の作成が必要となります。業務委託については、雇用関係ではないため作成は不要です。また、役員についても同様に原則は作成不要となりますが、労働者としての性質も持った役員(兼務役員)の場合には、作成が必要となります。

なお、よくあるケースの一つとして、時給制のパートタイマーやアルバイトについてはきちんと作成しているが、月給制や年俸制の社員の分は作っていないというケースがありますので、注意が必要です!

保存期間について

法律上は5年間となっておりますが、経過措置により現状は3年間が保存期間となります。

「賃金台帳」は従業員の給与について、各月の情報を年単位でまとめたもの

次に、「賃金台帳」について解説します!

「賃金台帳」は、従業員の給与やその計算に関する必要情報をまとめたもので、従業員毎に基本的には年単位で作成する帳簿となり、法定三帳簿の一つとなります。

対象者について

「出勤簿」と同様、雇用関係のある従業員については全員分の作成が必要となり、業務委託や役員についても同じ考え方となります。「給与明細は作成しているけど賃金台帳は作成していない」といった会社も多くありますが、あくまで「賃金台帳」としての作成が義務付けられていますので、注意が必要となります!

保存期間について

こちらも「出勤簿」と同様、法律上は5年間となっておりますが、経過措置により現状は3年間が保存期間となります。

出勤時間の集計は、分単位まで必要なので要注意

では実際に作成していく場合ですが、出勤簿を作るうえで、特に決められた様式やフォーマットはありません。ただし、必要な項目は法律で定められており、それらは網羅されている必要があります。

紙やデータ等、指定はあるの?

紙での保管は問題なく、下記要件を満たしたうえであれば、パソコン上に作成しデータとして保存することも認められています。

パソコン上での作成・保存でも認められるための要件

(1)法令で定められた要件を具備し、かつそれを画面上に表示し印字することができること。
(2)労働基準監督官の臨検時等、直ちに必要事項が明らかにされ、提出し得るシステムとなっていること。
(3)誤って消去されないこと。
(4)長期にわたって保存できること。
(出典)厚生労働省:Q&A

作成時の間違えやすいポイント

出勤簿を作成するときによくある間違えやすいポイントとして、「1日単位で分の切り捨てをしてしまっている」というのがあります。

まず前提として、原則労働時間を5分や15分等の分単位で切り捨てすることは法律上禁止されています。ただし、1ヶ月の総労働時間を合計したうえでその時間数に対し「30分未満は切り捨て、30分以上は切り上げ」とすることは、例外的に認められています。

この点、誤解をしているケースが非常に多いので、注意が必要です!

賃金台帳上で、基本給とその他の諸手当を合算するのはNG

続いて「賃金台帳」の作り方についても、ご紹介します!

まず前提として、「賃金台帳」も「出勤簿」と同様、指定された様式やフォーマットなどは特にありません。また賃金台帳については、厚生労働省や労働局のホームページにテンプレートが用意されており、そこからダウンロードが可能です。

(参考)厚生労働省:様式集

何を書けばいいの?

「賃金台帳」へ記載する項目は次の通りで、法律にて定められております。

紙やデータ等、指定はあるの?

こちらは「出勤簿」と同様で、紙での保管、(要件を満たしたうえでの)パソコン上の保存どちらも認められています。

作成時の間違えやすいポイント

賃金台帳を作成するときのよくある間違えやすいポイントとして、「基本給とその他の諸手当を合算して入力してしまっている」というのがあります。

残業手当や欠勤・遅刻・早退の控除、歩合給やインセンティブ等の変動給がある場合などは特に、様々な項目を合算して入力してしまっていると、それぞれの金額が正しいかどうか分かりづらいといった問題もありますので、各項目毎にそれぞれ金額を入力するようにしましょう。

正しく作成しないと従業員の大量離職や未払い残業代の請求など、経営リスクに繋がる恐れも

ここまで、「出勤簿」や「賃金台帳」に関する細かいルールや注意点についてご説明してきましたが、では仮に作成していなかった場合や作成はしているけど内容に不備や誤りがあるような場合に、どういったリスクがあるのでしょうか?

出勤簿と賃金台帳の内容が正しく整合していないと、給与計算ミスの原因に…

何より一番大切なことは「従業員の労働時間を正しく集計し、適切な賃金を支払うこと」です!

それぞれ正しい作成方法や必要な項目を理解していないと、帳簿間での内容にズレが生じ、給与計算のミスにも繋がります。

給与計算ミスは非常に深刻な問題で、従業員に不信感を抱かれ離職の原因となる、未払い残業代を請求されるといった経営リスクにも繋がりかねません。

罰則について

また上記とは別に、これらの帳簿が違反の状態となってしまっている場合には、罰則として30万円以下の罰金を科される恐れがあります。

以上の内容を正しく理解したうえで、適切に作成・管理していくことが大切となります。

いかがでしたでしょうか。この記事では「帳簿の作成」というテーマで、「出勤簿や賃金台帳の基礎知識」や「作成時のポイント・注意点」、「正しく作成しなかった場合のリスク」についてお話ししてきました。これから社内の帳簿の作成や見直しを進めていく方にとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです!

よくあるお悩み

よくあるお悩み…

  • 出勤簿はあるけど、内容に問題がないか不安
  • 間違ったまま運用してしまっていた。どのように対処すればいい?
  • 他の帳簿についても、同じように間違えやすいポイントや注意点を知りたい…

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